一般向けでは
日本初
VIAを初めて人に伝えたのは、東日本大震災から4ヶ月後の2011年7月。
私、ニューヨークライフバランス研究所(NYLB)代表の松村亜里が、秋田県にある国際教養大学で、カウンセラーと心理学の講師として働いていたときのことです。
多くの不安と悲しみの中、心理学のクラスも覇気がなくなっていたある日。
私もまだ知ったばかりの「ポジティブ心理学」をとりあげ「24の性格の強みの調査票」について学生に話し合ってもらいました。
自分の強みについて話し合ううちに、あちらこちらで聞こえる「分かる、分かる」とうなずき合う声、こぼれる笑顔。繋がりと活気が生まれ、伝播していく。そのなんとも言えないパワーを実感した私は、大学のカウンセリングルームでVIAを使うようになりました。すると……
多くの学生が変貌を遂げる結果に。
自分の、友達の、社会の、「悪いところ」にばかり目がいきがちだった彼らは、VIAを通して「良いところ」が見えるようになり、住む世界が180℃変わったのです。
効果は計り知れないものであることを実感した私は、一般の方に心理学やポジティブ心理学を教えるようになってからも、講座では必ず「性格の強み」を取り上げてきました。
もともと自分に備わっている「性格の強み」を掘り起こすと自己肯定感が各段に上がります。
自分のため、人のために強みを役立てる方法を見出し発揮することで、誰もが1番なりたかった自分、最高の自分になっていくのです。
米国で初めて書かれたVIAの本は、「強みの百科事典」の様相を呈し、それはそれは難解なものでした。
満を持して、一般の方向けの本としてわかりやすく実践しやすい形となって出版されたのが、いま全米で話題沸騰のポジティブ心理学の性格診断(VIA)本「The Power of Character Strengths」です。
2021年2月「性格の強みの育て方」のタイトルで「The Power of Character Strengths」が日本初上陸!
こんな内容でお届けします。
強みの調査票というと、ギャラップ社の「ストレングスファインダー(SF)」が思い浮かぶ方が多いかもしれません。VIAがストレングスファインダーと違う点は大きく5つ。
5つの違いを見ていきましょう。
才能やスキルに着目したSFも素晴らしいツールですが、謙虚な面もある日本人には特に、この「性格の強み」というのが合っているように思います。そして、創造性のないアインシュタイン、愛情のないマザーテレサ、忍耐力のない羽生結弦選手が想像がつかないように、その人の性格の強みは長い目で見れば才能やスキルを花咲かせる養分でもあるのです。
VIAでは自分のトップ5〜7の強みを「特徴的な強み」と呼びます。
トップの強みには3つの特徴
Essential(本質的)
Effortless(自然で努力が必要ない)
Energizing(活力が湧いてくる)
3Eが備わっています。強みとは自分のアイデンティティの一部であり、そして自然と流れるように出てくるもので、使うと活力が湧いてくるものなのです。
そして、なんと!
トップ5の組み合わせは、510万通り。24の性格すべての組み合わせは600,000,000,000,000,000,000,000(600セクスティリオン、ゼロ23個)もあるそうです。
つまり、ひとりとして同じ強みの組み合わせの人はいないということ。
あなたは唯一無二のとてもユニークな存在なのです。自分の性格の強みのトップ5を知り、誰もが自分にしかない強みを十分に発揮できるようになりましょう。
生きていると、幸せを描くことさえ難しい局面に立たされることがあります。「強みを知って使うと幸せな人になれる」とはいえ苦境に立たされた時に強みに目を向ける余裕なんてない、と思われるかもしれません。ただ、臨床心理士として、公衆衛生学博士として活動してきて確実にわかるのは、強みを使うと、とても悪い状態が従来の治療よりも早く良くなるということです。次のようなデータの多くがそれを証明してくれています。
これは、ランダムに分けたグループの一つにVIAで強みを知ってもらい、それを使うようにと指示を出したものです(濃い青)。実施後から6ヶ月後まで、幸せが徐々に高まっています。
そして、同じグループで、うつ症状の調査もしました。うつスコアも、実施後ぐっと下がり、6ヶ月後までその効果は持続しています。
ポジティブ心理学をセラピーに使うと、従来のセラピーより効果があったという報告もあり、強みの効用は計り知れません。
コロナ感染の拡大が広がった頃、生徒さんたちから「ポジティブ心理学を学んでおいてよかった」「強みを知っておいてよかった」というメッセージをたくさん頂きました。私も含め多くの方が、 2001年9月11日の同時多発テロや2011年3月11日の東日本大震災を経験してきた方ばかり。当時はひどく落ち込んだそうですが、今回はとても前向きに取り組めているとのこと。幸せを自分で作り出す方法を事前に学んでいたからとみなさん口をそろえておっしゃるのです。
強みを知って使うことは、辛いときでも幸せを作り出せる大きな糸口となる。
今回の経験から確信を得て、強みが与える幸せにつていより多くの方に広めていきたいという思いを新たにしました。
同時多発テロが起こったとき、旅行会社で働いていてレイオフになりました。その当時独身で住宅ローンをかかえていて、自分の経験が活かせる仕事がなかなか見つからず、どん底にいました。たまたま友達の会計士の教科書を見て興味を持ち、働きながら勉強し2年後に資格を取得しました。今振り返ると旅行会社で培った知的柔軟性が、会計士の仕事に活かせ、大局観でニーズの高い仕事を考え、そして忍耐力で難関試験に合格したのだと思います。
ー Y.S.さん(ニューヨーク在住・会計士|[VIA上位5つの強み]知的柔軟性・大局観・忍耐力・誠実さ・希望)
VIAでは、どんな時でも愛情が一番の強みと出ていた私ですが、役職が変わり、生きる意味と価値までも見失ってしまった2年間がありました。しかし、それは強みを使っていなかったからだと気づき、再度「愛情」を意識して社員の皆さんと関わるようになってから、じわじわと生きる力が甦ってきて、笑顔が自然と出てくるようになり、幸せな人生には、どんな環境でも強みを使って生きることが大切さだということを心から実感しました。
ー 山田千鶴子さん(熊本県在住・会社経営|[VIA上位5つの強み]愛情・リーダーシップ・希望・大局観・スピリチュアリティ)
わたしは、親切心、希望、好奇心をよく使います。例えば、大きなものでは仕事に応募する時、またはイベントなどに申し込む時です。相手への貢献という「親切心」、うまくいくかもしれないという「希望」、どんな経験ができるんだろうという「好奇心」を使うことで、求められるレベルに満たないかもしれないという不安があっても、一歩踏み出すことができます。
ー M.W.さん(兵庫県在住・英語講師|[VIA上位5つの強み]愛情・親切心・希望・スピリチュアリティ・好奇心)
ニューヨークライフバランス研究所は、「より幸せに生きる方法」を科学的に研究しているポジティブ心理学やウェルビーイングの学問を、誰もが毎日の生活に取り入れやすい形で伝えています。
これらの活動を通して、幸せな人が増え、幸せな家族が増え、幸せな組織が増え、幸せな国が増え、そして幸せな世界が実現することを目指しています。また、養成講座を通して、「世界中どこにいても幸せで、強みをいかして周りの人を幸せにできる人」を育て、一度しかない人生をかけがえなのないものに感じられることを願って活動しています。